« 福島潟の菱喰 | トップページ | 西伊豆・仁科港乗り初め式 »

2012年1月 1日 (日)

雁晴れ、日本。

雁晴れ、日本。 昨年は3・11の千年に一度と言われる未曾有の大地震・大津波、想定外と言い訳するが人災とも言える原発の電源喪失・冷却不能によるメルトダウン・放射能の拡散恐怖と9月には大型台風上陸が相次ぎ記録的な災害が起こり、大震災被害の方々や原発避難の人々、水害に遭われた方々には人生なぜこうも辛いのかと思いを残した。これは先の敗戦以来といえる国難の年であったと言える。 昭和で数えると今年は昭和87年になる。 マナヅル・ナベヅル・タンチョウ・コウノトリ・コウライアイサ・ヒレンジャクなどの繁殖地の流域で有名なアムール川(中国名:黒龍江)がソ満国境の満州・黒龍江省・牡丹江(当時のソ満国境を流れるウスリー川も上記と同じ繁殖地)から吉林省を抜けて今の北朝鮮に入り朝鮮半島を縦断して釜山港から博多港に着いたのは昭和20年敗戦5ヶ月後の師走、着の身着のまま命からがらの逃避行・決死の脱出劇であった。渡り鳥ならば僅かな日時で飛んでくるが牡丹江市から釜山港までは4ヶ月以上も母が命を繋いで日本に連れ帰ってくれた、母は強しとはこの事である、辿りついた釜山港では牡丹江で敗戦直前に現地召集された父と再会した、運転免許を持っていた父は戦車隊に配属されたが一度も乗る機会が無かったと嬉しそうに話していた。昭和19年に誕生地の荒川区町屋を離れ新潟港を出発して昭和20年末に帰国した激動の一年間、4歳から5歳の幼少で満州と朝鮮半島で敗戦を経験した、今は亡き両親と年子の4歳の妹と一家4人の引揚者であった。骨皮筋衛門で帰国してからは戦後の食料難に豆・芋などで命を繋いだ、薩摩芋の蔓まで食べたが逃げることから生きることへ進化した、日本人は臣民から兵役のない国民に進歩した、虚脱感が漂っていた大人たちにも平和が訪れ民主主義の国となり、後に団塊の世代と言われる弟も誕生した。 昭和20年代毎年秋になると澄んだ平和の青空に雁(かり)の群れを見たのは子供の頃に住んでいた世田谷区烏山町だった、東京都内と言っても住んでいた周囲は畑と田んぼの田園風景であった、ここが故郷とも言える懐かしい場所である、北には烏山川が流れ川の向こうは寺町である、南には仙川が流れ川岸に明治乳業の工場があった流れて来る牛乳ビンの蓋を集めて遊んだが何が面白かったのか牛乳は満州で飲んだ馬乳以外は飲んだことがなかった、雁が飛んで来た東の空は京王線の千歳烏山駅の隣にあった烏山小学校があった、敗戦の翌年は栄養失調で小学校入学が一年遅れた、飛んで行く西は牟礼や久我山方向、岩崎通信機の工場跡があった、当時は焼夷弾の残骸や不発弾が畑や田んぼの中から出てきたが田んぼの周囲を流れる小川で水遊びやザリガニ捕りなどで子供時代を過ごした、この小川を子供達は給田川と呼んでいたがまだ小学生低学年であった、敗戦後の食料難の貧しい時代であったが平和が訪れる時代となった、雁の群れは習ったばかりの「へ」の字や屁も出ない空いたお腹が「く~」と鳴ると雁は「く」の字に見えた。烏山小学校まで片道30分歩く、入学後暫くしてまた栄養失調で休学した時に担任の女の先生が見舞いに来た、明治牛乳一合ビンを初めて飲んだ、ビンを宝物にした、白米を腹一杯食べたい夢を牛乳ビンに詰め込んだ。(その後の45年間を書くと一年以上掛かる回顧録となり年末まで時間を要するので割愛した)時は流れそれから45年間勤勉な日本人は戦後の復興を成し遂げ高度成長期には世界第二の経済大国に伸し上がった、三種の神器や新三種の神器で豊かな生活を謳歌し飽食の時代も来た、その後のバブル崩壊と失われた10年が始まる1990年秋東北新幹線の古川駅の隣に開業した「くりこま高原駅」に降り立った時は中年の50歳、ふと見上げる空に幼少の頃に見覚えのあった雁行を何十年かでぶりに見た!今は登米市となったが宮城県登米郡登米町登米と登米が地番に3つもある関係会社のITシステムの構築で訪れた時である。その後毎年秋から冬が待ち遠しい大好きな風景となった。その後も2001年現役を退くまで毎月出張で定例会議に東京・くりこま高原を往復した。またそれから5年の歳月が過ぎ野鳥撮影を始めた翌年の秋、2006年10月から伊豆沼・蕪栗沼の雁などの野鳥撮影で再び訪れる地となった。昨年12月は大震災から9ヶ月も経っていたがマガンの塒立ちの撮影地である伊豆沼・獅子鼻の道路はまだ震災の爪跡が残り、積み上げた土嚢と凸凹に曲がりくねった道路がいまでも無残であった。それでも東北の空には雁晴れと叫びたくなるように元気に雁行がみられた。伊豆沼から約20km離れた蕪栗沼に行く道路もところどころ川に架かる橋の繋ぎ目は補修の跡が目立ち今でも補修中の橋もあるがここでも雁は青空に家族と仲間の絆で隊列を作り編隊飛行で雁晴っていた。への字やくの字、横一文字のつり竿型、短距離の移動では先頭が少し離れて飛ぶ「i」の字。鳴き声を交わし愛と絆で青空に羽ばたく雁にあやかって年頭にあたりマガン・オオヒシクイ・シジュウカラガン・ハクガン・コクガンの5種のガンで雁晴れ、日本。ガンバロウ・Japanでブログ開きにしたいと思います。今年も宜しくお願いします。

Dsc_7205s

幼少の頃世田谷で見られたのも、50歳の年にくりこま高原駅で見たのもこのような雁行であった気がする

_dsc6491s

日の出直後の伊豆沼、11月初旬頃までは塒立ちと日の出はタイミングが合うようだ、11月中旬から12月になると日の出が遅くなる日の出前に塒立ち

_dsc6556s

5分後の伊豆沼の夜明けの雁行、伊豆沼のマガンが居なくなる、朝日を浴びてマガンの塒立ち、羽音と鳴き声は環境省の「残したい日本の音風景100選」

3124

蕪栗沼の三日月と落雁、この後は夕日が落ちる西の空へその下は蕪栗沼

071023_010

蕪栗沼の夕日と落雁、マガンの塒入り、沼の真上に来ると急に飛翔が乱れて急降下する

781

シジュウカラガンの飛翔(新潟県福島潟)

1002

ハクガンの飛び出し(新潟県朝日池)

07125_159s

シジュウカラガン

0441

コクガンはガンの仲間でも海を生活の場とする唯一のガン

|

« 福島潟の菱喰 | トップページ | 西伊豆・仁科港乗り初め式 »

野鳥」カテゴリの記事

コメント

新年明けましておめでとう御座います。
撮影場所で会うことを楽しみにしています。

投稿: TSUCHIYA | 2012年1月 1日 (日) 14:34

おめでとうございます。
コマドリさんとアカショウビン・ムギマキさんでお遇いしたものです。
昨年から、毎回楽しみに拝見させています。
今回の長文は感動しつつ読ませていただきました。
私も近いうちに東北を訪れる予定でおりますけれど、参考にさせていただきます。
画像はもちろんですが、文もとてもすばらしく、今年も楽しみにしております。
遠出が多いようですが、くれぐれも事故にはお気をつけて、たくさんの鳥さんに遇えますように・・・。

投稿: 赤いガーベラ | 2012年1月 1日 (日) 17:10

あけましておめでとうございます!
旧年中はいろいろお世話になりまして、ありがとうございました。
今年も無理をお願いすることが多々あるかとは存じますが、何卒よろしくお願いします(^-^)/

投稿: いなサン | 2012年1月 1日 (日) 21:09

雁ばろう日本ですね!流石ケンさん、素晴らしい”
明けまして おめでとうございますm(__)m
昨年は大変お世話になり、ありがとうございました♪
今年も宜しくお願い致します。
また楽しく鳥撮りご一緒したいですね♪
雁の飛翔 お見事ですね!3/11に伊豆沼で被災したので、ちょっと怖いですが・・伊豆沼に 又行ってみたいと思います。

投稿: ミント | 2012年1月 2日 (月) 00:03

ケンさん こんにちは! 
 新年明けましておめでとうございます。

 艱難辛苦 汝を玉に為す♪
 栄冠の陰に涙あり!

 長編“来たし方”読破させていただきました 謝謝!

 これからも元気溌剌 東に西に 北に南に! 素晴らしい鳥観鳥撮紀行 期待して居ります。
 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

投稿: 風のむろさん | 2012年1月 2日 (月) 12:36

TSUCHIYAさん

新年早々のご挨拶に恐縮です
今年も撮影地でお会いすることを
楽しみにしていますので
本年も宜しくお願いします。 

投稿: ken | 2012年1月 2日 (月) 22:21

赤いガーベラさん
迎春おめでとうございます。
いつも拙ブログをご覧いただきありがとうございます。
新年から西伊豆に出掛けていましたのでご挨拶が遅れて恐縮です。
今年も初夏にはコマドリやアカショウビン、秋にはムギマキなどでお会いするかも知れませんが
宜しくお願いします。

投稿: ken | 2012年1月 3日 (火) 04:58

いなサン様

昨年はお世話になりました。
西伊豆から大渋滞の中を帰宅して
ご挨拶が遅れました。
こちらこそ今年も宜しくお願いします。

投稿: ken | 2012年1月 3日 (火) 05:01

ミントさん

今年も宜しくお願いしますm(_ _)m
そう言えば3・11にブログで伊豆沼で怖い目に遭われた、恐怖の体験談を思い出しましたが伊豆沼がトラウマにならない事を願っています。
ここには40年も通っていますが鳥撮りはまだ6年間だけです、まだまだ雁バローと思っています。仙台土産の牛タンと笹かま、ミサゴの飛込みのところで戴いた萩の月もいいですね。

投稿: ken | 2012年1月 3日 (火) 05:12

風のむろさん

迎春おめでとうございます
花鳥風月詩人のむろさんからの
応援歌をいただき新年から縁起が良いですね。
昨日は西伊豆町の漁船乗りぞめ式の開場で
年男に選ばれ生涯初めての餅まきをして来ました、満州孤児の成り損ないは6回目の辰を迎え7回目の竜が来るかは龍神様の世界です。
新年早々ありがとうございました。

投稿: ken | 2012年1月 3日 (火) 05:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 福島潟の菱喰 | トップページ | 西伊豆・仁科港乗り初め式 »