タカの渡り
白樺峠と言えばタカの渡り、タカの渡りと言えば白樺峠。たかがタカの渡り、されどタカの渡り、やっぱりタカの渡り。花から野鳥に心変わりした八年前から9月になるとネットのお気に入り”速報・白樺峠のタカの渡り”の状況を見て、毎年9月20日前後に新横浜から約230km、3時間半の松本ICを降りて、国道158号線を走り奈川渡ダム手前のトンネルの中で直進は国道158号の上高地と乗鞍高原方面、左の奈川方面に左折して野麦街道のトンネルを2ヶ所抜けてから奈川温泉で右折して約10km上高地乗鞍スーパー林道を登り白樺峠に至る。松本ICから約45kmの道程である。下の写真は白樺峠駐車場トイレ前からたか見の広場への登り口、右に「かんばの森」の空家があり、ここから25段の山階段を登り始める。
山道を登り始めると高山性の野草の花が咲いているので心が安らぐ、
その後に小さな橋の中ほどで朽ちて壊れた処に出くわす、この先の不安を思い起こさせる。
右の四枚目の写真が最初の九十九折であるが、つづら折と言っても3つだけである。大小五本の白樺の木を見てやっと一つ目の九十九折に着いたとホットするがまだ山道は1/3を登ったに過ぎないが肩の重荷がずっしりと食い込む。
二つ目のつづら折に向うが歩幅は一尺程度で十歩か二十歩進んでは休むように立ち止まる。山道中央正面の白樺が二つ目のつづら折であるが見えても遠い、ひたすら下を向いて進むと落葉が目につく。夜半の雨で濡れた茶色やこげ茶の濡れ落葉が目に付く、現役引退から11年まだ一度もぬれ落ち葉と言われてないのが自慢などと、キザな想いであるが背中の器材が重い。二つ目のつづら折を過ぎて一番キツイ山階段では後ろから聞こえてくる足音でここでもお先にとやり過ごす。あえぎ喘ぎ登る途中で何度も追い越されたが八年目を迎えるとマイペースで登ることに九にも苦にもならないと言えば嘘になる。登りきった時の征服感、達成感の喜びがあるから重い思いを超越している。
三つ目のつづら折が近づくと左の白樺の手前に「たか見広場」の標識が出てくる。最後のつづら折は近いがまだまだ山道は続く。
三つ目最後のつづら折の右下には切り倒した白樺が5,6本山積みしてある、つづら折正面奥には二本の白樺がある。天気が良ければ右に乗鞍岳の山々が眺望できると登山の疲れは一気に吹き飛ぶが曇天などで見えなくとも登り切った思いでやれやれと一息つける。
登りきると乗鞍眺望広場、晴天の日ならば乗鞍岳が一望出来る写真撮影のスポットである。右から登ってくる樺池からの別ルートは直線コース。
いろいろな案内板がある乗鞍眺望広場前の看板、どちらも駐車場から20分の案内であるが年々所要時間が延びて登りは25分以上掛かる。 白樺峠たか見広場と避難小屋が三つあるが写真は真ん中の小屋、ここにはタカの渡り数の速報グラフを毎朝ここの管理人の中村さんが記入されているので前日までのタカの渡りの状況がひと目で分かる、降雨時にはここに避難する人で混雑する時が度々あった。(撮影日9月24日)
8回目となった今年はやっかいな事に天気予報が当たらず初日(9月19日)は午後3時過ぎに前方の山から飛び出したハチクマ一羽がこの日のタカの渡り数であった。
上昇気流を探して旋廻
山が背景にあるとAFではピントがなかなか合わない
この日の天候は朝は視界の悪い曇り、昼頃には時々雨、その後晴れたが渡ってくる新潟方面も天候がすぐれずタカの渡り日ではなかったようです。
初日たった一羽のハチクマの最後のショット、二十日ぶり久し振りのブログはノントリの冴えない写真です。
人生に明暗があるように、野鳥撮影にも明暗があります。今日は喘ぎ喘ぎ登ってくるタカ見の広場への道程とタカの渡りの光と影の中で影の部分となりました。
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