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2012年11月 6日 (火)

三杯の軍艦に右往左往

”太平の眠りを覚ます蒸気船たつた四杯で夜も寝られず” たった四杯の黒船、ペリーの来航により対応に慌てふためく、江戸幕府を狂歌に長けた江戸の庶民が揶揄 した傑作である。さしづめ現在人気のTV番組ではクイズ形式のペケポン川柳か、この対比ではチョット軽る過ぎて、この狂歌には及ばない。

例年タカの渡りの観察と撮影で賑わう恋路ヶ浜、今年は10月初~中旬に軍艦の珍客で地元も慌てふためいた。軍艦三杯が台風で迷い込み、椰子の実が流れ着いた浜に来たのである、タカを尻目にタカを括り、巨大なツバメを探す鵜の目タカの目、軍艦が現われると三脚とカメラを担いで右往左往した。

軍艦が迷い込む半月前、9月16日に放送されたダーウインが来た!空飛ぶ”軍艦の秘密”インド洋に浮かぶ熱帯の島、クリスマス島の大きな鳥、名前に軍艦と付くのには理由がある。一つは体の大きさ。翼を開くと2メートル以上、黒く光る巨体は威圧感に満ちている。もう一つの理由は、鳥類トップクラスという空中戦の強さ。飛行機のない昔、海で戦うものと言えば軍艦だったため、この名が付いたといいます。軍艦鳥の弱点の一つが泳ぎ。魚を食べる海鳥なのに、水に入ったり水面に浮いたりすることが全く出来ません。自力で魚を取るには、水面すれすれに飛びながらすくいとるしかありません。こうした狩りだけでは食料が足りないため、水鳥から強盗をするのです。厳しい宿命を背負って生きるグンカンドリ。(ダーウインが来た!空飛ぶ軍艦の秘密より)

今更ではあるが1種が増えるかどうかの話である。伊良湖港と神島漁港で撮影したそれぞれの軍艦鳥に違いがあるとは感じていたが、現地でも両方で三羽の小軍艦と大軍艦のそれぞれの若が飛んでいる噂であった。鷹撮影の渥美の森でもお世話になった管理人のTさんから毎日現われた時間や場所の情報が入って来る、午後からは早々にここを離れる人が多くなるがその中の一人であった。7日午後からは軍艦鳥オンリーとなった。
図鑑によれば、コグンカンドリの幼鳥や若鳥は頭部が白く、胸が黒くて褐色味があり、下面全体は黒いが胸部は白く、その部分が下雨覆いまで入りこむものが多い、嘴は鉛色で先端部分は白っぽい。一方のオオグンカンドリの成鳥は喉が赤いので見れば分かるが日本では成鳥の記録はないといわれ、若鳥は頭部と腹部は白い、また前頸に橙色味のある灰色の部分がある個体や胸に黒っぽい部分がある個体があるなど、個体変異がある。腹部の白い部分が翼に入りこむことは少ない。両者の一番の見分け方は腹部の白い部分が翼に入り込む長さを基に軍艦鳥の違いを比較してみた。

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顔・頭が淡色で、斜めからの写真では飛ぶ姿の胸の白い部分が雨覆いの下まで明瞭に深く入っている。10月7日伊良湖港で撮影

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真上に飛んだ、胸の白い部分がかなり翼の中まで入っている様子が分かる、鉛色で先端が白っぽい嘴。

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この個体は燕尾の片方が短い、コグンカンドリは翼長W175-195cm、頭上を飛んだノントリ写真

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上の4枚の写真は10月7日に撮影したコグンカン若と思われる同一個体、頭部は白く、胸は黒くて褐色味がある、白い部分がかなり翼下に入っている。燕尾の右側が欠損して短い。下のオオグンカン若と比較するとこちらの方がズングリしているようにも見えるのはオオグンカンよりも翼長が短いからか?

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オオグンカンドリ若と思われる、頭部から胸にかけてコグンカンドリよりも淡色の橙褐色、胸の白い部分が翼に入り込むことは少なく形も異なる、上のコグンカンとはかなり違う。10月10日神島漁港撮影

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下の二羽編隊飛翔の後ろを飛ぶオオグンカンドリ若、こちらの方が嘴・顔・頭・胸の色が濃く成鳥に近い若と思われるが、あるいは図鑑でも説明のある個体差。

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オオグンカンドリ若の編隊飛翔、顔と胸の色と燕尾の飛翔形に個体差がある、編隊は変体と変態にあらず。

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オオグンカンドリ若と思われるこの二羽の尻尾は綺麗な燕尾、これで一羽のコグンカンドリ若と合わせて3羽の軍艦鳥を記録した。

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編隊の後ろにいた嘴・頭・顔・胸が黒い方のオオグンカン若にトビが飛び掛る

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編隊の前にいた嘴・頭・顔・胸が淡色のオオグンカンドリ若とトビの追跡劇、地元のトビの群れがよそ者を追い出すのか、トビとの神島上空の空中戦、軍艦も相手が普段の海鳥とは勝手が違うようだ、初めて追われる身なった?これが原因で数日後の台風が来た翌日に抜けたのか?翼の形と長さの違いがよく分かる、スマートな軍艦はツバメのように飛翔が早そうに見える。トビの翼長W157-162cm、オオグンカンドリW205-230cmである。

情報に右往左往しながらも神島まで広範囲に探した甲斐があり、お陰様で初見・初撮りが若であったが2種増えたことになる。
最後に遅くなりましたが現地でお世話になった皆さんありがとうございましたo(_ _)oペコッ

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