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2013年4月29日 (月)

燕の左官

今日は「昭和の日」であるが昭和には思い出したくない重い思い出もある。敗戦から4ヶ月後の昭和20年12月に旧満州から命辛々引揚げてきた。一年数ヶ月後に烏山小学校に入学した、住んでいた世田谷区烏山の引揚寮は周囲に畑と田んぼと小川があった。寮は現在の北烏山八丁目あたりと想われるが定かではない。東には烏山寺町方向から流れる烏山川があった、小学4年までの幼い記憶である。当時は甲州街道の手前に烏山川沿いに鉄格子のはまった烏のように黒い建物が烏山病院であった。甲州街道に出てから新宿方向へ暫く行くと、京王線千歳烏山駅方面向う交差点で甲州街道を横断して、駅の手前にあった烏山小学校へは小学生の足で片道30分も掛かる道のりであった。悪戯盛りの悪童が学校帰りの道草で見た光景の一つに農家の土壁を塗る左官屋さんの仕事場があった。土を金網の篩に入れて土をふるう作業、畳一畳くらいの木枠の箱の中に篩いにかけた土と水を入れ鍬で泥を練る作業、裁断機で切断した藁を泥の中に入れてさらにかき混ぜる作業、やかん頭に鉢巻をしたおじさんがこの泥を板の上に乗せて、鏝(コテ)で竹で編んだ壁に何回も塗ると土壁の下地が出来上がる。左官は「しゃかん」とも言われ、盛んに見られた左官屋さんは今では石膏ボードやサイディングパネルに替わり、神社仏閣などの修復以外では鏝作業は殆ど見られなくなった。こんな左官職人の原風景をこれもあまり見られなくなったツバメの巣作りを見て思い出した。

ツバメと言えば背番号2896のつば九郎のヤクルトスワローズ、10日前はベイスターズの定席であった最下位にいたがジャイアンツに3連勝など5連勝で3位まで上昇している。今年は読売以外は黒星の多い泥団子レースの様相を呈している。
今日は10日程前に泥との奮闘を観戦した、左官のつば九郎である。東京都下の調節池のある公園で巣作りのツバメが盛んに左官作業をしていた。

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葦の若葉が出始めた頃、雀の餌場に燕が来た、ボンヤリ見ているのはマエボケのスズメ

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巣材の材料となる葦などの枯れ草などを拾い集める

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更に泥土の上で大きい巣材を咥えて住宅街の方に運んでいる

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今度は泥の中に嘴の根元まで突っ込む、ツバメの左官屋さん

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顔を上げると顔から胸まで泥だらけになる左官のつば九朗

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どうだ!と泥だらけになりながら嘴には巣の素材と泥を含んで、巣つくり中の住宅街に向って飛び立つ。

都会で巣作りで苦労の左官のつば九郎でした。

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野鳥」カテゴリの記事

コメント

ヒヨコロさん
凄いですね!少なくなったツバメがご自宅に毎年帰ってくるとは♪
ツバメも日本野鳥の会も喜んでいると思います。
いつも思い掛けない処でのツバメの撮影です、2008年4月14日の法師温泉の帰り道「ツバメの巣作り」と2010年6月7日戸隠神社の「燕の紋次郎」に次いで3度目のツバメの巣作りでした。

ツバメの巣立ちまでの記録を楽しみにしています。ありがとうございました。

うわー すごいですー こんな風にツバメさんは してるんですね^^ 感激ですー

我が家にも 毎年帰ってくる? ツバメさんがいます 寒い日は どこからか他の鳥の 羽毛を集めてきて 巣に敷き詰めています^^

関心します あの飛行能力 創造性・・・

今は卵を温めていますよ^^
今年は 何羽巣立ってくれるか 楽しみです^^

ありがとうございます

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