渥美の森の鷹
今年の日本の異常気象は竜巻・猛暑・豪雨と続き、10年に一度の大き な台風26号が関東に襲来して、27年前に火山で「地異」の島が今度は「天変」による土砂災害を蒙った。今年の地球環境は異常気象の天衣無縫ならぬ天威無法(天声人語の創作四字熟語)の感がある。
今月はじめ渥美の森に出掛ける前にタカの渡りで有名な伊良湖崎・恋路ヶ浜の定点観測記録を過去八年間のデータを分析してきたが渡りのピークは例年鈴鹿サーキットでのF1の決勝日がある10月初旬までに終わっていた。今回は過去のデータから10月4日
~10日までの一週間の予定で渥美の森と恋路ヶ浜のタカの渡りの撮影旅に出発したが今年の異常気象はタカの渡りにも影響があった
ように感じる。
春先は湘南のシラスが不漁であったがお盆の時期は遠州灘のシラス漁が不漁と聞いていたがこの原因は遠州灘沖の黒潮の蛇行が原因らしい。黒潮の蛇行は海水温による上昇気流など気象の変動にも大きな影響があるようだ。渥美の森はタカの渡り数は恋路ヶ浜の1/3~1/2と聞いていたが近距離の撮影が魅力で今年も期待したが天変なのか温暖化の影響なのかタカの渡りの時期がずれたのか、渡りのルートが変わったのか殆んど空振りの一週間であった。
高々タカであるがされどタカ、タカ見の見物が出来なければ、天候によっては観光に転向するのがいつもの常套、上等な写真は撮れないが観光地に来たら観光は常道である。
一枚目右上の写真は渥美半島・伊良湖岬付近のサイクリングマップ、浜松から遠州灘に沿う国道42号線と三河湾側の豊橋から伊良湖岬へ走る国道259号線に挟まれた保美の信号から左折したほぼ中間に「渥美の森」がある。二枚目左上は伊良湖ビューホテルの下、日出の石門の上、椰子の実記念碑付近から撮影、下に見える駐車場は日出休憩所、片浜十三里の渚、画面左の山の後方に渥美の森が確認される。
右の3枚目は259号線の伊良湖シーサイドゴルフクラブの入口前にある「芭蕉の句碑公園」の「鷹ひとつ 見つけてうれし 伊良湖崎」の芭蕉句碑、4枚目は裏面「この句は、芭蕉が愛弟子の杜国の衝心を慰めようと、貞享4年(1687)冬越人を伴い、保美に杜国を尋ね馬を並べてこの地に清遊したとき詠んだ句である 昭和五十八年三月建立 渥美町」と刻まれている。
10月4日~9日までの渥美の森・展望台は例年になくカメラマンが少なかった、5日(土)は恋路ヶ浜に居たので詳細不明であるが6日(日)は展望台に11人、下に6人であったそれもタカが飛ばないので午前中だけ、午後からは3人のみ、他の日は自分を含めて終日2,3人であった。無風か風向きが東または南であり、6日間にタカが渡ると言われる北西の風は一度もなかった。
芭蕉の句「鷹ひとつ 見つけてうれし 伊良湖崎」が渡りの時期にも関わらず現実となってしまった。夢に見た近距離撮影が幻となった鷹は現(うつつ)では天変の中で僅かに撮影できた遠い鷹をかなりトリミングしたものとなった。
サシバ幼鳥
サシバ成鳥♀
サシバ成鳥♀
サシバ幼鳥
ノスリ
ノスリの旋廻(上と同じ個体)
晴天は6日のみ、朝靄の日、曇り後小雨の日など風向きと天候にも恵まれなかった最終日の9日は午後から強い雨となり、予定を変更して一日早く切り上げて翌10日早朝には権現山サンクチュアリに居た。
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