歌鶫と只鶫
時の流れは年々早く感じる。今年も1月はいぬ(往ぬ、去ぬ)、2月は逃げる、3月は確定申告が終わりに近づく中旬となり、早くも3月は去る気配だ。
そんな去る3月7日、七日前に県内で今年初めて撮影したのが2月下旬にロシアから迷い込んで来たと思われる個体、日本では稀有なウタツグミ。
ロハ(只)の鶫と歌鶫がまだ蕾の多い河津桜の木の下で共存なのか共生なのか、それとも競争なのか、同じエサ場に居た。
ツグミ特有の草地を跳ねるように歩いては立ち止まって胸を張る。そして嘴で落葉を蹴散らかして土中のミミズなどをさがす。この動作を繰り返す。L24cmのロハのツグミはこの動作の行動範囲はウタツグミよりも狭く、中央の同じような場所で獲物をさがす。L23cmの小さいウタツグミは広いロシアから来たせいかどうか分からないがこの動作の行動範囲が広い、カメラの砲列の十数メートルの先で桜の木の下を隅から隅まで、左手の笹藪の前から右手のスイセンの処まで移動する。
この日までに既に4回目の訪問者である鳥友のKさんの説明ではロハのツグミは二羽居て、一羽とは友好関係でもう一羽とは仲がよくないのか反りが合わないのかバトルが見られる。この日は友好関係の方が来て、ケンカをしないで共存出来る関係、お互いに助け合う共生関係まではいかない。同じエサ場でエサを競争して獲り合う競争関係のようだ。立ち止まっては胸を張る写真ばかりでは変化が無い、見たいのはバトルをする方が来て欲しい、珍鳥撮影後の欲張ったこの日の心理であった。
3月4日ネットに掲載されていた動物映像家の真木広造さんの談話。87年に横浜に飛来した時も駆けつけたが間に合わなかった。今回は間近での撮影に成功し、「40年以上、野鳥を撮影しているが、国内でウタツグミを見たのは初めて。ロシアの個体が迷い込んだのだろう」と話していた。私が撮影した3月7日は野鳥写真家の叶内拓哉さんも奥様とご一緒に来られていました。
ロハツグミと互いにそしらぬ顔をしてすれ違う、エサ場で友好的共存関係
笹藪の前に来たウタツグミよりも5cmも大きい28cmのヒヨドリ二羽を追い払う気の強さも見られた。
落葉の下からミミズを捕獲した時のロシアンハンターの顔
お互いが無関心に見える非攻撃的友好関係
暫くするとウタツグミが姿勢を低くして攻撃態勢をする、ロシアからの刺客か、恐ロシア
素知らぬ顔で素通りするツグミの後方からの追撃体勢
更に姿勢を低くして後ろからの攻撃態勢を覗かせる
大相撲の仕切り線の間隔は70cm、それよりも狭い感覚でウタツグミの攻撃態勢
接近しても攻撃態勢は緩めないが・・・
だがその後で敵愾心のなさそうなお互いに知らん振り
偶にはミミズを捕獲してエネルギーの補給
何回も攻撃態勢をとるがロシアンルーレットのように本気で攻撃する時もある。とうとう我慢出来なくて攻撃開始、ロシアからの刺客、おそロシア。
シャモ(軍鶏)のケンカ(闘鶏)の様に蹴り合い、ウタツグミのケリの攻撃、ツグミの迎撃体勢、これは闘鶏ならぬ闘鶫である。反りが合わない方のタダツグミかどうかは不明であった。SSが1000分の1秒ではピントが甘かった。昼飯のオニギリを食して現地を13時に離れたので午後からの闘鶫は見ていない。
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