法師の湯と末はころり観音
弘法大師が発見したと伝えられる法師乃湯に、弥生三月の自分の誕生日か、家内の誕生月卯月4月のどちらかの誕生月の前後に毎年通っている法師温泉・長寿館である。今年で野鳥撮影10年目の合間に7回目の法師温泉となった。
今年は長寿館の景色が変わり、昨年10月26日の十年に一度の強い勢力の台風26号といわれ、各地に甚大な被害を及ぼしたが、本館横の太い樅の木が倒され、3本の切り株だけが残った。
訪れる度に入りたいと願っていた、三つある浴槽のうち今まで女性専用の「長寿の湯」に男性専用の時間帯が設けられた。
それに今まで気付かなかったが日本野鳥の会の創始者、野鳥研究家・詩人・歌人の中西悟堂先生の詩の足跡を発見した。
本館右の渡り廊下の右横、本館二階客室19号室前にあったモミの木がなくなり長寿館の風景が変わった。
玄関を入って直ぐの古風な佇まい
まだ寒いので玄関左の囲炉裏の火が恋しくなる
玄関座敷の横にあるこの温泉の名物、旧国鉄時代の高峰三枝子と上原謙が入浴したフルムーンの絵を今年も撮りました。
3時前に入館したので準備中の玉城の湯を内湯から見た露天を撮影
玉城の湯の野天風呂
3時過ぎから男性の時間となった長寿の湯に初めて入浴、桶と腰掛がそれぞれ3つしかないこじんまりとした浴室でした。
浴槽の上に「長寿祝」を掲げてある。読み方すら分らない祝いもある、どこまで進むのか、長湯をしているとボーとして字が見えない、先も読めない。
還暦・古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿・白寿・百寿・茶寿・皇寿の十段階、まだ二段階目である、三段階の喜寿は三年先、長寿と云うにはまだ先は長い。
温泉のハシゴである、午後3時半に法師の湯を一人じめする、男性側の入口からの撮影
今度は女性側入口からの撮影、浴槽の底にある玉石からもプクプクと温泉が湧き出ている。与謝野晶子も癒された温泉。
草まくら 手枕に似じ 借らざらん
山のいでゆの 丸太のまくら 与謝野晶子
午後6時からは夕食、毎年同じような献立である、昨年は虹鱒が塩焼きであったが今年は焼いて甘酢がけであった。
9時に玉城の湯に入る
玉城の湯の湯煙上がる野天風呂
玉城の湯の温泉成分表
温泉で癒したあとは館内の見物で新たな発見をする
本館二階から薫山荘に渡る廊下に掲示してある地元群馬県出身の中曽根康弘元総理の雁と蝉の句額
額に装丁された中西悟堂の野鳥の詩歌を詠んだ4枚の直筆
朝の散歩は三国峠へ4kmの標識を横目に見ながら100m坂を登ると「末はころり観音」へのお参り、右は入魂記念碑、曹洞宗管長が行なったのをはじめて知る。
さらに50m進むと周囲に残雪が残る逢初(あいぞめ)の滝が法師川の対岸に落ちる
宿に戻る道すがらの風景、カケスが三羽、飛びながら駆けつけ三回鳴いていた。
法師川に掛かる橋の袂に水芭蕉が春を告げていた
夕食に出た天婦羅の蕗の薹も花が開いていた
8時に朝食を摂る、朝の散歩のあとはご飯が旨い
帰り際に撮影した本館脇の倒れた樅の木は大きな空洞が出来ていた、これでは台風26号には持ち堪えられなかった、毎年餌台に来るシジュウカラ・ゴジュウカラ・ヤマガラ・コガラなどのカラ類が今年は全く見られなかった、3本も切り倒すと景観が変わり、野鳥も近づかないのだろうか。
そのかわり夕べは詩人・歌人・日本野鳥の会の創始者の中西悟堂の詩を見つけた。
仏法僧いまだ鳴きつつ 曇り日の
谷の真洞の空明けむとす
中西悟堂
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