隼雛の窮事
信州中野市のチョウゲンボウ繁殖地(国の天然記念物)として有名な十三崖がある、これほどの規模はありませんが小規模で似たような崖地があり、ここの岩穴でハヤブサが繁殖している。旭川市の北東を流れる石狩川に程近いがこの崖地の名前がわからないので崖地の上と崖下に繁殖しているニセアカシアの群生があるので仮に「ニセアカシアの崖」とでも呼ぶことにした。この崖地のニセアカシアは今を盛りに藤の花のような房状の白い花を咲かせている。
なぜここにニセアカシアの木があるのか?ニセアカシアは他の木が育たない痩せた土地でも繁殖力が強いのでこんな崖地でも生育したものと思われる。
ネットでニセアカシアについて調べると札幌市などの街路樹で知られているニセアカシアはその昔、西田佐知子がヒットした「アカシアの雨がやむとき」♪アカシアの雨にうたれてこのまま死んでしまいたい・・・この歌詞のアカシアもニセアカシアの花であると知られている。アカシア蜂蜜は高級品だそうだがこれも甘い香りがするニセアカシアの蜂蜜が真相のようです。日本でアカシアと呼ばれる木は殆どがニセアカシアと言われるが北米原産で明治の初め札幌に導入された時に英名を直訳した時にニセアカシアとなさけない名前になった。繁殖力の強さから今では特定外来生物の候補にもなって嫌われる存在になっている。
小雨が降ったり陽が射したりした撮影日に隣におられた地元のご夫婦がこの花は「てんぷら」にすると美味しいと云われ、そのほかにもいろいろなニセアカシアの花のレシピがあるそうです。
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花盛りの白い花房が垂れ下がるニセアカシアの木の中でハヤブサ幼鳥が泣く様に鳴いていた。営巣していた崖地の岩場から落ちたのか、それとも飛びそこなって道路際のこの枝につかまったのか、困っている様子である。
親は3m上の同じニセアカシアの枝でこちらも困った様子で給餌のエサを持ったまま動けずにいた。給餌が窮餌となっている。
ヒナは贋アカシアの棘がある枝の中で脱出を試みるがここからは出られない。美しい花には棘がある。
親はニセアカシアの木から5m脇の電柱の天辺に移動してここからも給餌に挑戦するがヒナの処までは入って行かれない窮事となっている給餌。
ここからの給餌を諦めて飛び出し、啼きながら上空を旋廻して、岩場に戻っていった。
何回も脱出を試みるがニセアカシアの花の中からは出られない、鳴き声も段々小さくなる
親も何回も餌を持ってニセアカシアの雛に持ってくるが与えることが出来なかった、夕方4時までこの繰り返しであった。翌朝にはもうこの木には居なかった、気になっていたので前日5時過ぎまでおられた地元の方の話ではその後は電線の上からも給餌を試みたが何も進展はなかったとそうです。
撮影日6月12日、13日の金曜日にはニセアカシア崖地の雛は見つからかった。
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