鷦鷯と赤腹
人は自分の分に安んじるべきであるというたとえに「鷦鷯(しょうりょ う)深林に巣くうも一枝(いっし)に過ぎず:中国の古典(荘子)」
ミソサザイは林に巣を作るが必要なのはただ一本の枝である。
鷦鷯とはミソサザイの漢字名である、他に「三十三才」とも書く、そのミソサザイが戸隠森林公園みどりが池の縁に建つ、野生生物観察施設の中にいた。25日ムギマキの探鳥で朝の6時 40分に重たいカメラを持たずに下見に来たツルマサキの傍にこの施設がある。中の様子を見に内部に入るとガラス窓に何かがぶつかる音がした。常時開放されている入口から迷いこんだのかミソサザイがコンクリート床に気絶したように暫く動かずにいた。国内の野鳥のなかでも最小種のひとつである「ミソサザイ」は、床に動かずにいたが最初に見た時は濃褐色の蛾が落ちていると錯覚するほど小さかった。全長10cmのキクイタダキと同じように日本で一番小さい鷦鷯が一枝どころか、冬期には低地に移動して越冬するといわれるが、人が大勢入れる野性生物観察施設の広い空間にいたのだ。持っていたメモ帳代わりのコンデジで写真を撮った。
近づいてのコンデジの接写でも動かず、ガラス窓に衝突しての気絶だろうか?
直接野鳥に触れることが出来ないので、外に出て落ちていた枝葉で覚醒させるとまた飛んでガラス窓にぶつかる音がした、葉よりも小さく尾を立てるのでなお更小さく見えるので全長は7cm程度に見える程小さいので最初は褐色の大きな蛾と見間違えたのだ。
今度は施設の中から外を観察する窓の縁に落ちる、近づいても動かず、シャッター速度の遅いコンデジ撮影でも嘴をあけたまま動かずにいた
この野生生物観察施設の内部にはいろいろな野鳥巣箱の展示があるがミソサザイは巣箱に入る選択はしなかったは、自分の分に安じる巣箱がなかったのかな?鷦鷯に1箱はいらないのだ。
何度もガラス窓に衝突するので早く外に出るように、人が来ないうちに一枝で尾の後ろから出口方向へ追い出すとやっと開放された出口から外に無事に飛んでいった。野生生物観察施設内で迷い込んだミソサザイを観察しながら野鳥の保護をした気分に浸る。
ここから迷い込み外に出て行った野生生物観察施設の出入口
翌朝も二匹目のドジョウを見たい気分でカメラを持たずにコンデジだけを持って観察施設に行くと今度は外周の窓下でアカハラが落葉の下を採餌中であった。
まだ薄暗い6時41分にあまり人を恐れないアカハラの採餌の様子をコンデジで迫った
観察窓の下にある石楠花(しゃくなげ)の木の下で落葉をひっくり返す
観察施設の周りを半周しての採餌
6時48分に観察施設前の木にとまり、そして笹藪の中に去っていった。コンデジで7分間のアカハラ撮影であった。
戸隠森林公園では留鳥のミソサザイは春先には小川のこみちなどで森中に響き渡るような高音で囀るが秋の今時分にはあまり姿を見たことがない稀有なことである、アカハラは年中見られるが両鳥ともコンデジでの撮影は初体験であった。
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