多摩川の葭鴨(葦鴨)
鎌倉時代の随筆である方丈記は鴨長明が晩年に京都で構えた方丈(約3m四方)の庵に隠棲して書いた「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず・・・」格調高い書き出し・・・京都と言えば、川は鴨川なのか宇治川なのか・・・
因みに方丈記の現代語訳、ネットの書き出しの一例では
川の流れは途絶えることはなく、しかもそこを流れる水は同じもとの水ではない。川のよどみに浮かんでいる泡は、消えたり新しくできたりと、川にそのままの状態で長くとどまっている例はない。この世に生きている人とその人たちが住む場所も、また同じようなものである・・・
25歳までの学生期の小中学生の頃はまだ多摩川で泳げた、京王線の京王多摩川から下流の小田急線の和泉多摩川までが遊び場所であった。地番では調布・布田・国領・狛江である。対岸の神奈川県は南武線が多摩川沿いに走り、駅は矢野口・稲田堤・中野島・登戸であった。中学生の頃から多摩川のよどみに洗剤の泡が浮かぶ高度成長期には工場排水と生活汚水が多摩川の浄化能力以上流入して泳げなくなった。
十才の頃から数えて五十五年の歳月が流れた。学生期と家住期を終えた六十五歳の黄金の林住期に始めたのが鳥撮りである。それから早くも10年経った、今も多摩川の流れは途絶えることなく、しかもそこを流れる水は同じもとの水ではない。十年前に多摩川を泳ぐ鴨を撮った、ナポレオン帽を被ったような冠羽のヨシガモ(葭鴨)である。葦鴨とも書く。
川崎市の多摩川で中学生が殺された悲惨な記事を見て、鳥撮りで何回も通った川崎大師近辺の多摩川を思い出して書き始めたこのブログであるが鴨長明のような格調高い随筆のようには書けない凡才の悲しさである。凡才の仮名は鴨長明にあやかって鴨鳥迷である。ヨシガモも今日は四枚でヨシとした。
鴨長明が亡くなった年齢は61歳であったが、来年からは林住期が臨終となる七十六歳からの遊行期に入る。小中学生の頃はバタバタと廊下を走って先生に叱られたが今は、遊行期に向かって佳麗(加齢)に老化をヒタヒタと走っている想いである。
ヨシガモ成鳥♂ 撮影日2005年11月20日 撮影地 多摩川(川崎市)
ヨシガモ成鳥♂ 冬鳥 L48cm嘴は黒く基部に白斑がある
額から後頭と目先から頬線の部分は黒ずんだ赤紫色
目から後頭にかけて光沢のある緑色で後ろへ長くのびている、喉から頸の上部は白く、黒い頸輪がある。北海道では夏鳥で少数が道北・道東で越冬する。
今日はブログを始める7ヶ月前の写真である。
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lucksoundさん
こんばんは はじめまして
ブログを始める前、10年前位の写真を最
初はCDに保管していましたが5,6年前
にハードデスクに保存していた写真です。
ありがとうございました。
今後共宜しくお願いします
投稿: ken | 2015年2月26日 (木) 19:02
綺麗な鳥ですね。
写真の写りと色がまたよいこと。
投稿: lucksound | 2015年2月26日 (木) 11:24