魔都の画眉鳥
画眉鳥で思い出したので古いパスポートを確認したところ、初めてガビチヨウを見たのは14年前の上海である。当時の上海浦東地区ののっぽビルは高さ468mの上海テレビ塔と高さ421mのジンマオタワー(金茂大厦)であった、このビルの最上階88階の展望施設に上ったことがあり、発展する上海を見下ろした思い出がある。この当時はまだ高さ492mの上海環球金融中心(栓抜きの形の超高層ビル)と上海タワー(上海中心 Shanghai Tower)世界2位となる高さ632mの超高層ビルはまだなかった。
出張なので観光に来たわけではないが朝夕の散歩は上海市内の観光地といえば、まずは開港当時の雰囲気の残る外灘(ワイタン)と食事をした豫園(よえん)が人気の観光地だが魔都の一面も覗かれる怪しげな処もある。旧フランス租界も中国の歴史が漂う、クラシックな佇まいが見られた。これらの外観面の他に中国人の生活面の一部を知った。(世界三大魔都はロンドン・東京・上海)
2001年8月に新しい上海浦東国際空港から入国(この以前までは上海虹橋国際空港)、三泊四日の出張で旧フランス租界地にあるヒルトンホテル上海に滞在した折、近所の大きな公園(復興公園?)で三日間毎朝散歩して異国の朝の風情を垣間見た。地元の人々が朝の公園で日常のいろいろな過ごし方や寛ぎ方をしていたのをおぼろげながら思い出した。
毎朝一番目についたのが太極拳の一団である、青竜刀を振りかざしながら演舞する別のグループもいた。広い公園なので音楽を流しながらダンスを踊る一団もいるし、朝の体操をする団体もあった。ベンチがある公園の森蔭では鳥籠を持った人が木の枝に画眉鳥(この時はまだガビチョウは知る由もない)の鳥籠をぶら下げる、地味な茶褐色の鳥を持ち寄り、それが一人や二人ではない十数人の老人の集まりであった、ベンチで読書する人の隣に集まっていた。当時はまだ野鳥には興味がなかったが子供の頃から文鳥やカナリヤを愛玩する人を見てきたので鳥を愛玩する一団とは思ったがガビチョウを鳴き合わせをしていたとは今にして分かる出来事であった。江戸時代には既に日本に持ち込まれ鳴き声を愛玩していたが戦後は見た目の地味さとあまりにも大きな鳴き声に厭きられて放鳥され野生化したものと思われる。
この十年間に国内の方々で画眉鳥を撮ってきた(それだけ特定外来種が繁殖)、今回はサクラ咲く三ツ池公園では初であった、普段は地上で昆虫や植物を採餌するので地上域のアカハラやシロハラなどに食害があると思われるが囀りは木の上で色々な野鳥の鳴き声を真似て大きな鳴き声で囀る、これが鳴くと付近のとウグイスが囀りをやめてしまうほど喧しい鳴き声である。特定外来種の騒音とも言える。
三ツ池公園にある中国から贈られた「馬超龍雀」の説明文
花曇の風の強い昨日、満開のサクラ散る下の「馬超龍雀」、このような中国古代芸術の遺産(複製品)は大歓迎だが・・・
ソメイヨシノが満開の公園の朝日が眩しい遊歩道の上にガビチョウが来た(撮影日3月30日8時~
ガビチョウが大きな鳴き声で囀りを始めた、下を散歩する人が通過しても逃げないしぶとさで鳴く
撮影位置を東屋の前から姫椿越しにアングルを変えて撮るもここで20分も鳴く
最後は遊歩道脇の桜の木の隣、その木の上で囀り後は下の笹藪の中に消えた、うるさい画眉鳥であった。ウグイスはこの間には囀りはなかったようだ。
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