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2015年7月26日 (日)

”珍”無精卵を捨てるクマゲラ

 北海道、北見山系の道有林の森。ここには樹齢100年を超えるようなエゾマツやトドマツの大木があります。クマゲラがつづら折りの続く山道の開けた処で営巣していました。昨年と同じ木で同じ巣穴、高さは10m以上、トドマツに開けた巣穴です。クマゲラの大きさは45cm、日本で最大のキツツキです。巣穴の前方が開けた処、巣穴の上下・周囲には枝がなく、表面が滑らかな樹木に巣を作ります。巣の大きさはクマゲラの大きさから推測すると縦径25cm、横径20cm、深さは60cmと言われています。クマゲラは巣穴に5、6個の卵を産み、オスとメスが交代で温めます。産卵から 抱卵期間は12~16日,育雛期間は24~32日といわれています。クマゲラの巣穴から雛が顔を出しての給餌はまだ始まっていません、5月26日はまだ小さいので親が巣穴の中に入っての給餌です。

クマゲラは自分の卵(卵は卵形で,卵色は白色)を巣から出して捨てる行動がたびたび観察されるようです。初卵をオスが巣から持ち出して捨てるそうです。この話を最初に聞いたのは、札幌の藻岩山で四羽のクマゲラの雛を初めて観察した時に永年クマゲラを観察をしている地元のS氏から聞いたのが最初でした。
この時は育雛後期に卵を捨てる行動も観察されている話はなかったが、今回はどうやら、何らかの理由で孵化しなかった卵、無精卵と思われる腐って黄変した卵を破棄したようです。ここのクマゲラに詳しいK氏が珍しい事象であると評していました。今日はこの珍ブログです。

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午後2時頃、♂が給餌に来た!たぶんムネアカオオアリなどのクマゲラの大好物を運んで来たと思われます。

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巣穴に入った後に普段見慣れない光景です。黄色い色の卵を咥えて出て来ました!クマゲラの観察で初めて見る光景です。

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黄色い卵を咥えての飛び出しです。

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飛び出しがいつもよりも低い気がします。最初は糞出しの糞のように思いましたがよく見ると黄変した卵です。無精卵が腐食して黄変したものと思われます。

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雛が大きくなり巣の中が狭くなったのか、いつま経っても孵らない卵が邪魔になったのでこの日、見切りをつけて運び出したものと推察されます。

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黄変した卵を捨てた後の最初の♂の飛来です。

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普段と変わらない着木です。

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巣穴の中での給餌後も普段と変わらぬ様子です。

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 またいつものように採餌に飛び出して行きました。

この十年間に4羽のクマゲラの雛を3,4回観察しているので卵は4~5個が多いと思われます。一卵目を捨てた後の4卵が孵ると4羽が誕生しますがこのような無精卵があるなど何かの都合で2羽か3羽の雛となり、今年はここの雛は三羽です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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