鴬(うぐいす)と胴咲き桜
野鳥撮影をはじめる前の2001年、今から15年前に日本三大桜を撮影したことがある。そのひとつは山梨県の山高神代桜、推定樹齢1800年とも2000年とも言われる実相寺境内に咲き続けるエドヒガンザクラ。
二つ目は岐阜県根尾谷の淡墨桜(ウスズミザクラ)は樹齢1500年のエドヒガン。三本目は福島県三春の滝桜は樹齢1000年以上のベニシダレザクラ。
桜の木は長命と想われるが日本最古のソメイヨシノは、弘前公園にある明治時代に植樹された樹齢120年のソメイヨシノ、樹木師の手入れでもまだ120年。一般的にソメイヨシノの寿命は60年と言われている。
最近話題になっているのがソメイヨシノ老木伐採のトラブル。ニュースでも取り上げられた「JR東中野駅の桜並木 保存の道を 「JR中央線線路に危険」 区が老木伐採の記事」戦後復興の象徴として六十年余り前にJR東中野駅(東京都中野区)近くに植えられた桜並木の枝が線路に落ちて危険だとして、中野区は先月、老木二本を伐採し、今後さらに七本を切る予定だ。近隣住民たちは事前に説明会を開かないまま伐採したことに「街のシンボルを黙って切るなんて」と反発。急きょ保存の会を結成し、苗木を植えるなどして並木を守るよう提案するが、区は難色を示している(3月19日東京新聞)。ここは撮り鉄屋にも電車と桜が競演する撮影スポットとして人気があった。
右の写真は自宅近くの満開の日(4月6日)の通称サクラ坂の写真、この樹齢40年以上のソメイヨシノを住民に連絡なしに3月中伐採された桜の姿です。毎年満開の桜を見上げながら人それぞれがいろいろな思いを馳せたママチャリでは上れないサクラ坂です。
歳をとると人生において、あと何回サクラが咲くのを見ることができるのだろうか、そんな思いの中でこんな無残な姿のサクラの木が8本並んでいました。誰がどんな理由で枝を伐採したのか、せめて満開のサクラを見てからにして欲しかったと悔し涙が出てくる。東中野では区役所を相手に住民運動に発展したがここでは何が起こるのだろうか。満開の桜とともに何枚もシャッターを切ったがその中に老木の幹や枝から直接芽吹き花が咲く、胴咲き桜もある。
長命のエドヒガンザクラとオオシマザクラの交雑種のソメイヨシノは挿し木でしか株を増やせない。成長が早く若木でも花を咲かせ、10年も経てば立派な樹木になるが、長命の親と比較して寿命が短く約60年と言われるので成長も早いが樹勢が衰えるのも早く、老木になって幹が黒くなり苔が生え、幹の根元から人の目の高さの辺りに、幹から直に花芽が噴き出すよう出て花が咲く、しかも枝よりも先に花が咲き、枝の花が散った後も胴咲き桜は最後まで花が咲いている。これは枝よりも幹の方が風雨に晒されないからだろうか。
何年も桜を撮って来たが古い枝が朽ちて落ち、苔の生えた老木に咲く、「胴咲き桜」「胴吹き桜」に加齢とともに目がいくようになった。
こんな胴咲き桜にウグイスが良く似合う。
幹から直に咲いた胴咲き桜とか胴吹き桜と呼ばれるソメイヨシノにウグイスが来た、ウグイス色はこのような地味な色、背景の緑ボケはメジロの色
満開のソメイヨシノの胴咲き桜と鴬、地鳴きは「チャッ チャッ」
黒くなって緑色の苔も生えて来た老木のソメイヨシノ、胴咲き桜にウグイスの背羽、この色がウグイス色
朽ちた胴咲き桜に来たメジロ、大概の人はウグイス色と勘違いしているメジロの色
頭の上面は淡い茶褐色、眉斑は汚白色、過眼線は黒褐色、頬からの体下面は汚白色、足は肉色、サクラにウグイスが良く似合う
正面顔のウグイスも可愛い!
胴吹き桜の上でホーホケキョ
向きを変えてのホーホケキョ
胴吹き桜から胴吹き桜へ「キョキョ・・・ケキョケキョ・・・」とけたたましい鳴き声で胴渡り・・・
胴咲き桜とも胴吹き桜とも言われる樹勢が衰えた桜に良く見られるサクラと鳴き声だけは良く聴くが人目には姿をあまり見せないウグイスの撮り合わせでした。(撮影地 さくら名所100選の三ツ池公園 )
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