クマゲラ雛の落下
野鳥撮影の経験から覚えた表現に、辞書には出ていない語彙に鳥が「死ぬ」ことを「落鳥」と表現する単語がある。木や巣から落ちた直後の鳥はまだ生きているので落鳥ではなく落下になると思われるが他に専門用語があるのかどうか。そのままではいずれ落鳥の運命にあると思われる雛を拾い上げたが非難されるのかどうか、この門題からは早く避難したい。日本野鳥の会のキャンペーンに「ヒナを拾わないで」とあるが時と場合によっては拾い上げる必要がある。今回はその事例に当たるのか。
霧中の沼でタンチョウ親子連れを夢中で撮影中に鳥友から、営巣中の巣からクマゲラの雛が落下したと連絡が入り、知床の現場まで約170Kmをドライブ(かなりとばした)して落下から3時間弱の1時55分に現場に到着するとカメラマン2人が砂利道の上にクマゲラの雛♂がよちよち歩きしているのを見ながら待っていた、手にはやぶ蚊よけのうちわを持っていた。お二人の談話では11時頃の落下直後に若いヒグマが道路を歩いてクマゲラ雛に見向きもせず通り過ぎたと、二人ともヒグマの写真を車の中から撮っていた。現場に到着後暫く様子を見ていると疲れ果てたのか道路の真ん中で座り込む、ここはカムイワッカの滝へ行く観光道路でけっこう車の往来がある処で、雛のために交通整理も行う始末、一度はひかれそうになったので落下したクマゲラを今度は交通事故で落鳥させてはならないと思い、車を拭くタオルを持ち出してクマゲラの後ろに廻りタオルで包むように拾い上げると、生暖かい感触がありクチバシでタオルの上から突っつく攻撃の仕草もあった。巣穴に近い木の枝を探したが手が届く範囲には見当たらず、やむを得ず木肌の荒い樹に留める様に離した。自車を含めてカメラマンは3名とも県外ナンバーでした。
撮影日6月7日
道路の真ん中からシダの前へ、クマゲラ雛♂よちよち歩きから疲れ果ててへたり込むように座り込む
落下から3時間以上経つ、暫くすると立ち上がるが動けない、ケン爺さん助けてよ!と言わんばかりの弱弱しい目付きに見えた!
また歩き出したが砂利道の真ん中にへたり込んだ、クマゲラのヒナ雄を交通事故から救う決断をして、クマゲラの後ろからタオルで包むように拾い上げた。
営巣木近くの樹に親に助けてもらいなさいと届けた!!
弱っているのか上手に上れない、まだ足の爪が柔らかいのか?
木を上ると言うよりはやっとつかまっている感じ
落ちた巣穴から妹が心配そうに顔を出す、この巣穴は一男一女のようだ、一男に一難が起きたのだ。
雄親が近くに助けに来た!
雄親の鳴き声に給餌に来たと思ったのか妹が頸をのばす
カラスを警戒しているのか、ヒナに呼びかけているのか盛んに鳴く♂親
木に止めたヒナの方向を見る♂親
ところがその方向にいるはずの救助したヒナが見えない、上に上る力がなくよそ見している内にまた落下したようだ。この直後に♂親が落下したと思われるシダ類の草の中に下りて行ったが、その後はシダの下の事はシラナイ。ヒナが見えなくなったので2時30分に撮影終了する。このクマゲラ♂ヒナの落下の話は未完のまま終わることになった。翌朝小雨の早朝に巣穴を確認したが♀のヒナも巣立ちしたのか見当たらず、営巣木の巣穴は深い森の中で元の静寂に戻った。
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ミントさん こんにちは
昔 小樽で巣穴から飛んだ巣立ち雛が
50m位飛んで遊歩道に落ちましたが
一緒に見ていたNさんとサクラの木の根元まで
誘導して桜の木に登るのを手助けした経験が生きました。
そこはカラスと野良猫に狙われる危険な場所でしたので
枝葉のある処まで上るをガードしながら
親が山の中に連れて行くのを観察してました。
投稿: ケン | 2018年6月12日 (火) 09:53
ケンさん こんばんは^^
可愛い♪ケンさんに助けてもらって・・クマゲラさんから恩返しが
あるかも!
元気で みんなと一緒に 巣立っていったと思います!
投稿: ミント | 2018年6月 9日 (土) 22:11