桜の狂い咲きと渡り蝶の浅葱斑蝶
10月19日今朝の朝日新聞・天声人語(全文)に触発された
秋の夕暮れは、ときに郷愁を誘う。俳人の西東三鬼(さいとうさんき)は虫の声を聞き、いわし雲の空を見ながら、小学生の頃の風景を胸に描いた。学校の上の城跡から鐘が鳴り響いたこと。暮れゆく空にカラスが胡麻(ごま)をまいたように群れ騒いでいたこと▼鳴き声を聞きながら思い思いに家に帰ったとも、随筆にある。耳で目で肌で感じる夕暮れである。日を追うごとに夜が長くなる。それを植物たちも感じ取っていると最近知った。葉っぱが夜の長さをはかっていると植物生理学者の田中修さんが書いていた▼季節が変わるのを前もって知り、花芽をつける時期を逃さないためらしい。太陽を浴びて光合成をするだけが仕事かと思っていたが、どうやら葉っぱを見くびっていたようだ▼いまあちこちで季節外れの桜が咲いているのも、葉っぱの仕事に関係があるという。この時期は、花芽の成長を抑制する植物ホルモンが葉から出ている。しかし、台風により塩分を含む暴風にさらされ、多くの葉が落ちてしまった。気温の高い日が続いたこともあり、花芽の成長が止まらなくなった▼秋のさわやかな空気のなかで桜の花が見られるのかなと思い、東京の目黒川沿いを歩いた。よく探すと1輪、2輪と白い花がある。ほとんどの花芽は、春まで待ってくれるのだろう▼季節外れの開花を「狂い咲き」という。植物たちの方がおかしくなったような言い方で、かわいそうでもある。異常続きのこの国の気象に、私たちと同じように、木々も振り回されている。(朝日新聞デジタルより転載)
鷹の渡りを観に訪れた渥美半島の渥美の森展望台の山桜は台風の影響で紅葉の時期にも関わらず、葉が全て落葉して、そのかわりに季節外れの白い花が5~6輪咲いていた。この花に鷹と同じように長距離移動する渡りの蝶である、南西諸島や台湾などの温暖な地域に移動すると言われている。アサギマダラ(浅葱斑の浅葱色は現在の青緑色を意味します)にとっては移動の途中に幸運ともいえる狂い咲きの桜の花に吸蜜に来た様子を撮影してきました。
撮影日 10月14日12時46分
葉が全て落葉した山桜には5、6輪の花が狂い咲き
狂い咲きの桜の花は全て吸蜜した
サクラからサクラへ渡りの蝶
浅葱色とは青緑色
桜から飛び去るアサギマダラ
サクラの吸蜜のあとは南面のクリの木の方向へヒラヒラ
トリムしてみました。
渥美半島の渥美の森の狂い咲きの桜と渡り蝶のアサギマダラ
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